生活団5才組の母です。長男がこの春生活団
を卒業しまして、現在次男が5才組に在籍して
います。
生活団の良いところは、この場では話切れな
い位沢山あるのですが、一番はやはり子ども
と同じ体験を共有できるという点です。毎日
のお励み,動物の飼育、音楽など、親として
の目に見える形での手助け、見えない部分の
手助けが必要ですので、まさに親子で取り組む
と言っても良い位です。
勿論子どもに与えられた子供の為のお励みで
すので親が手を出す訳にはいきません。忍耐
をもって見守ったり、どうやったらできるように
なるかと家の仕組みを考え直したりと、親の方
も知恵と工夫を迫られます。お片付けのお励み
などは、「これって私のお励み!?」と思う事も
あります。親が片付けてないのに子どもに「片
付けなさい」とは言えないので、親子で片付け
に励みます。一緒に片付けて、家の中がすっき
りして、親子で「気持ちがいいね」と言う時は、
何とも言えないです。子どもが主役でありなが
ら、親も一緒にその出来事を共有できるという、
のは、他では味わえない、生活団ならではの
良さかなと思います。

また、音楽や美術も生活団の大きな特徴だと
思います。別に特別な教育や指導をするの
ではありません。技術を教えるわけでもあり
ません。美術は、お手本を準備することも
なくただ、子どもが思い描いたものを見たまま
を描くのです。自分の背丈よりも大きな紙に、
思いっきり描くこともあります。身近な素材を
組み合わせて思い思いに組み立てることも
あります。
生活団ではそれが当たり前と思っていたの
ですが、長男が小学校に入ってからは、私は
カルチャーショックを受けました。初めての
図工の時間に子供たちが描いた自画像が
教室に貼ってあったのですが、皆見本を
真似て描いたかのように、殆ど同じ色、
同じ形で顔を描いていたのです。 長男の絵は
眉毛が太く、まつ毛がバシバシという本人の
特徴をそのまま描いていたのですぐにわかり
ました。自分で見たものを自分の手で表現する
力は、教科書では得ることが出来ないと実感
しました。そして、生活団は本当にすごいことを
やっているのかもしれないと、
子どもが卒業した後に気が付きました。 

話しは少しそれますが、積極的で、おしゃべり
な長男に比べて次男はおとなしく、消極的
です。言葉で気持ちを表現することがあまり
得意ではないので、生活団では余りしゃべら
ないようですし、家でも、言いたいことが言え
ずに泣いてしまうことが今でもよくあります。
「この子大丈夫〜?」と心配することも多い
のですが、音楽の様子を見てみると、歌は
しっかりと大きな口を開けて歌っています。
太鼓は思いっきり振りかぶって気合十分
で叩いています。間違えるのが嫌で、小さく
しか叩かないのでは、と思っていた私は、良い
意味で裏切られました。あの大きな音に、
本人の主張が目いっぱい詰まっているよう
でした。この子は、本当は自信たっぷりで
静かに燃えている!とわかったのです。
音楽が、次男にとっては自己表現の一つに
なっていますし、音楽によって私は子供を
再発見できました。
音楽については、私がいろいろ言うよりも、
子どもの歌や演奏を実際に聴いて頂くのが
一番だと思います。友の会の例会や体験会、
音楽会に是非お出かけ下さい。
私も入団前の音楽会で子供たちの演奏を
聴いて「ここは間違いない!」と
確信しました。 
生活団の良さは、本当に色々あります。
父母会と言う保護者と指導者の集まりで、皆で
読書をしたり子どもの様子について話し合った
りする時間も自分と子どもとの関係を振り返る
きっかけを与えてくれます。羽仁先生の著作集
も、決して古いものではなく、いつの時代にも
通用する本質をついているので、子育てに
限らず生き方そのものにも大きなヒントを
与えてくれます。 

子どもと一緒にやったあんなこと、こんなこと、また、
子どもに内緒で準備したお食事や作り物など、
入ってからのお楽しみで言えないことも沢山
ありますがどれも本当に良い思い出となって、
一生の宝物です。
この三年間で、目一杯、もう十分と言うほどに
子どもと関わる事が出来るので長男はまだ小学
一年生ですが、この子育てに間違いはない!
と自信を持って言うことが出来ます。
細かいことではああしてほしい、こうなってほしいと
思うことがありますが、何と言いますか根っこ
の方では子どもと自分を信じることが
出来ると思っています。
 

生活団にあったから、生活団を卒業したから、
ではなくて、生活団で子供と一緒に過ごした
経験そのものがそういえるのだと思います。
これは子供をどこかに預ける、と言う形
では得ることの出来ない体験だと思います。
何処の幼稚園も保育園も、子どもにとっては
楽しい場所です。熱心で素晴らしい先生も
沢山居ると思います。
しかし、根っこの部分は、子供本人と親に委ね
られた部分かなと思います。
花や実は根っこがしっかりしていれば、どんな
ものが咲いても美しく、どんな実がなっても
美味しいと思うのです。
生活団はその根っこを育てるのを、仲間と
一緒に励みあう事が出来る場だと思います。
皆様にも、ぜひぜひ仲間になって頂き
たいです。そして、
子育てと生活そのものを楽しみましょう!